わらべうた874.5 ―お揃い(裏)―
同じ布団を共有して身体を重ね続けていると、気が付いてしまうことはたくさんある。土方の首筋が少し汗ばんでいることと、表情は変わらなくても胸の鼓動が早いこと、そして。
「…あの…」
「気にするな。疲れているだけだ」
下腹部に感じる熱を帯びたものが、まるで押し付けられているように感じてしまう。土方は涼しい顔をしていたけれど、総司は顔を赤らめて戸惑い…おずおずと手を伸ばして触れた。
「…っ、なんだよ」
「な…慰めてもいいですか?」
自分からこんな申し出をしたのは初めてかもしれない。いつもなら恥ずかしくて土方の言う通りに気にしないふりをしただろうが、今はできることをしたいと思っていた。
土方は驚いていたが、ふっと息を吐いて笑って
「…どうやって慰めるつもりだ?」
と少し意地悪く問い詰めた。試衛館にいた頃から卑猥な話からは逃れていた総司だが、原田から知識だけは散々と聞かされていたので、どうするべきか頭ではわかっていた。
総司は下紐を解き、ますます大きくなったそれを手のひらで触れた。そして少し握るようにして力を込めて扱くと土方の表情が変わっていく。
「っ、…それから…?」
「…それからって…」
ここまでするのさえ勇気を振り絞ったのに、その先まで促されてしまい、総司は口籠る。そうしている間に身体を重ねた土方は総司の同じものに触れた。
「あっ…!」
「お前も固くなってる」
「わ、私はいいんです。歳三さんに気持ち良くなって欲しいだけで…」
「俺も同じだ」
土方の吐息は熱っぽく漏れて、総司の鼓膜を揺らす。そして初心な総司の動きよりも数段慣れた手つきで総司のものを昂らせていく。
「あっ、あぁ…っちが、う…!だめ、」
「違わない。…お前も興奮しているんだろ」
「…っ」
違う、と言い返したところで誤魔化せるはずがない。手本を見せるように土方に翻弄され、総司は小さな声をあげながら、ただただ耐え忍ぶしかない。
「…っ、もう駄目…ッ」
「じゃあ…」
土方は達しようとした総司のものをあっさり離してしまった。総司は涙目になって身体中を震わせたが、土方に促されるままに身体を起こし、両手を掴まれて仰向けの土方の上に跨った。
「歳三さん…っ」
「…よく見える。ほら、俺のものと一緒に扱いて」
「う…っ」
正気なら「できない」と断っていただろうが、すでに散々熱を持たされて震えるだけだった身体は従順に従うしかなく、総司は土方の分を含めて両手で掴んでぎこちなく上下させた。
部屋にはまだ一本の火が灯っている。仄かに薄暗いなかに、できあがった影は野生的に重なって本能に従い続けて腰が揺れていた。その光景が目に入った途端、箍が外れたように興奮を抑えきれなくなった。
「あっあっあ…!」
熱に魘されるようにくらくらしていた。そこへさらに土方が手を伸ばしてきて強い刺激を与えたことが背中を押して、総司の身体はピクンと跳ねてそのまま達した。
息荒く前のめりに倒れ込むと、まだ土方のものが絶頂を迎えていないことに気がついた。
「…はっ…はぁ……歳三、さん…」
「総司…」
総司はその屹立したものを口に含んだ。苦味と汗とが混ざり合ったそれを両手で押さえて咥え込み、舌を使って丁寧に舐める。するとその度に土方が身体を捩って、時折気持ちよさそうに声を漏らす…それが、
(たまらなく…愛しくて、嬉しい)
総司は息苦しさとともに高揚感を覚えながら、何度も繰り返した。すると余裕のなくなった土方が身体を起こすと総司の背中から腕を伸ばしてその先にある場所をほぐし始めた。
「歳ぞ、さん…」
「…挿れはしない。ただ…お前のなかに触れたいだけだ」
土方は指を二本ほど抜き差ししながら、目を閉じる。汗ばみ、眉間に皺を寄せて少しだけ顔を歪ませて小さな声を漏らす。総司が口に含んだそれはもう弾けんばかりに大きくなっていた。
「ふっぅっふ…っ」
「総司…総司、…もっと」
「ふぁ…っ!」
土方が強引に総司の後頭部を掴んで揺さぶった。同時に指の抜き差しも激しくなっていき、土方はただただ本能に従って…総司の口の中に吐き出していた。
「っ…ぐっ…!」
頭を掴まれていた総司は受け止めて嚥下しきれなかったものを口の端から溢した。咳き込みそうになったが、どうにか堪えていると土方がようやく手を離して、「ここに出せ」と手のひらを差し出した。
「…大丈夫…飲んじゃいました」
「馬鹿だな…不味いだろ、普通…」
土方は呆れてーー照れ隠しのように少しだけ目を逸らした。そんな土方を見るのが新鮮で総司はいままでに感じたことのない幸福を覚えながら、再び土方の隣に身体を横たえた。そしてゆっくりと息を吐いて
「…よく、眠れそうだ」
と微笑んだ。
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